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残り火2nd stage 第1章:今までで一番、熱い夏!9

ผู้เขียน: 相沢蒼依
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-12 12:44:09

***

思惑通りに写真が撮れてふたりの記念を残すことができ、満面の笑みを浮かべた俺と、ちょっとだけふてくされている千秋。

そこのパーキングエリアにある食べ物を一緒に物色し、軽く食事をしてから車に戻って、再び高速道路を走らせた。

美味しい物を食べてお腹が満たされたからか、うつらうつらし出した千秋へ寝るように促したのに。

「でも……隣で寝るなんて、運転している穂高さんに悪いです」

「気を遣ってくれるのは嬉しいが、寝られるときに寝ていなきゃ寝かせてあげるのは、なかなか難しいと思うんだ」

「それって、あの……」

千秋の照れた声に、口元がだらしなく緩んでしまう。こういう素直な態度、すごく好きだな。

「夜のお楽しみの最中に、睡魔と格闘する君を襲うなんて、あまりしたくないしね」

「……分りました。遠慮なく寝させていただきます」

「シートを倒すといい。横にあるレバーを」

「分ってますって。その……一番最初に、穂高さんがしてくれたじゃないですか」

一番最初って、ああ――ふたりで夜景を見に行ったときの。懐かしい話題を頭の中で思い出しながら、チラッと隣を見てみたのだが。

生憎千秋は横にあるレバーを探すため、向こう側を向いているので、どんな表情をしているのか分からない。

(さっきの言葉、どんな顔で言ってくれたんだろう?)

車内という必然的に密閉された間近な空間の中にいるのに、君の顔がちょっとしか見られないのは残念だ。

やがて倒したシートの上で、千秋の寝息が聞こえてきた。少しだけ横向きで背中を丸めつつ顔がこっちを向いているので、可愛い寝顔が見放題。

「こんな無防備な顔がずっと見られるというのに、運転してる場合じゃないな実際……。我慢もあと少しの辛抱だ」

目の前にある時計に目をやり、ほくそ笑みを浮かべた。

千秋に話した予定には最終便のフェリーに間に合うように、車を必死に走らせるよと伝えてあった。だけど普通に走らせるだけじゃ、つまらない。

はじめてふたりで過ごす夏休みだからこそ、たくさんの思い出を作りたかった俺は、フェリー乗り場近くにある旅館をコッソリ予約した。

「料理が美味しい上に、露天風呂付きの客室をリザーブしたからね」

それを見て驚く千秋の顔が、今から楽しみだったりする。

くすくす笑いながら高速道路をちゃっかりと下りて、一般道を走り出した。千秋が熟睡しているからこそできる、自力の時間調整。あとどれくらいで到着するかと、ナビで確認してみる。

「あれ……? 予定よりも早く着きそうだな。どこかで、時間を潰すしかないか」

法定速度で車を走らせていると、道の駅を発見! 暇つぶしにもってこいだと左ウインカーを出して、勢いよく曲がる。

駐車場に車を停めてエンジンを切ったが、千秋はまったく起きる気配がなかった。

リアシートからタオルケットを引っ張って、そっと体にかけてあげる。本当はもっと早くかけてあげたかったのだが、高速道路で余所見ができないし、一般道に入っても停められる場所が見当たらなかった。

幸せそうな笑みを浮かべて、すやすや眠る千秋をじっと見つめるだけで、時間が勝手に潰れていった。

――手が出せないのは、正直なところつらいけどね。

(何か、楽しい夢でも見ているんだろうか。頭を撫でたり頬に触れたりしたいけど、それをしてしまったら、その夢が途中で終わってしまうから我慢だな。それよりも……)

最終便のフェリーに、乗り遅れた理由を考えないといけないか。どうしてだと、絶対に突っ込んでくるだろう。

考えなければと思うのに千秋の顔を見てると、旅館に着いてからのことばかり思い描いてしまって――。

(いかんいかん。浴衣姿の千秋とか露天風呂ではしゃぐ千秋とかその他、口に出せないことばかりが次々と出てきてしまう。一旦、頭を冷やさなければ)

慌てて車から出て、はーっと外の空気を吸った。

さんさんと照りつける太陽は少しだけ傾き、俺に光を浴びせた。北上したお蔭で吹いてくる風は、それ程湿気を帯びてなくて気持ちいいくらいだ。

車に背を向けて手に持っていたスマホで予約していた旅館に、ほくほくしながらダイヤルしてみる。

「もしもし。今夜お世話になります予約していた井上と申しますが、予定通りそちらに到着しますので。はい……。大人二名で予約した者です。ええ、宜しくお願いします」

ぴっとスマホ切り、首を傾げてしまった。

「俺の他に同じ苗字で予約しているヤツがいたから、念入りに確認されたんだろうか?」

訝しく思いながらその場をやり過ごしたのだが、まさかこのことで予定が狂うなんて分かるはずもなく、再び車を走らせたのだった。

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